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今期の各種委員会・ワーキンググループの体制について

会長 齊藤 邦行
(岡山大学大学院環境生命科学研究科)

 新体制となって3ヶ月が過ぎました.会員の皆さまに重要なお知らせが2つあります.
 まず,すでに4月の挨拶並びに6月のメールニュース等でお知らせしたように,講演要旨がレターサイズ2ページから1ページに変更になり,名称は日本作物学会第238回講演会要旨集(Abstracts of the 238th Meeting of the CSSJ, September 9 & 10, 2014, Ehime, Japan)に変更されました.講演要旨は文章のみでも,データすなわち図表の掲載も可能ですが,これまで通りオンライン公開されます.講演要旨の登録は,すでに締め切られていますが,発表者の負担軽減と発表数の増加を期待しての変更ですので,今後益々積極的に講演発表を行って頂きたいと思います.また,今回より学生発表者の学年,就活中か否かの表記を要旨集に加えることになりましたので,学生・ポスドクの皆さんには是非ともアピールして下さい.
 次に,本会の財政に関するお知らせです.先般の総会で,2014年度の予算(166万円の赤字)をお認めいただいたところですが,4月に日本学術振興会より科研費研究成果公開促進費,研究成果公開発表(B)シンポジウム助成87万円と国際情報発信強化(B)PPS助成379万円の両者ともに不採択の通知がありました.これらの助成は,2014年度予算に組み入れられていますので,今年度は600万円以上の赤字が見込まれます.収入の増加を図るには,会費の値上げが即効的ですが,会員数減少に拍車をかけるので,これ以外で短期的に収入の増加を図る方策を検討し,即実施しなければならないと考えます.
 現在赤字を大きくしている一因は,2007年度にPPSの掲載料(1万円)が無料化されるとともに6ページ(改正前4ページ)まで超過ページ負担を免除されるようになり,2008年度以降日作紀も掲載料無料(超過ページ負担は4ページまで免除)となり,今日に至っている点にあります.財政検討委員会の答申では,本会の著者負担料は,他学会に比べ多いことが指摘されていますが,他学会では出版による収益も大きく,本会では受益者負担の原則で著者負担料を増額してきた経緯があります.
 4月25日に執行部の打合会があり,会計幹事を中心に財政再建について実効ある収入増加方策を検討した結果,旅費の節減,委員会組織の統合,支部会補助の中止,そしてPPS,日作紀ともに掲載料を復活させることの効果が高いと判断され,和文誌については会務報告のフォントの大きさを2004年4月以前のフォントに縮小することも提案されました.これらにより年間100万円程度の増収と100万円程度の支出削減が可能であると試算されます.現在,両編集委員会へ掲載料の復活につき検討して頂いていますので,出来る限り早く実施したいと思います.ついては,緊縮財政の会務運営を心がけて参りますが,学会の根幹である学会誌の発行と講演会開催については活動水準の低下を絶対に避けたいと思っておりますので,会員皆さまのご協力を重ねてお願い申し上げます.
 このような状況を踏まえて,本学会の活動を維持し,総会で承認された事業計画を実施するため,委員会やワーキンググループ(WG)などを統合し,新体制が発足しました.
 和文誌編集委員会(大門弘幸委員長),英文誌編集委員会(大杉立委員長),学会賞選考委員会(上野修委員長)およびシンポジウム委員会(高橋肇委員長)については評議員会において委員長と委員が選出され,4月より活動を開始しております.日作紀編集委員長には,和文誌のあり方と論文数の増加方策,レター論文等,新たなジャンルの創設も含めて検討をお願いしています.PPS編集委員長には,来年度は科研費国際情報発信強化(B)が採択されるよう,魅力ある科研費の申請書を作成するため,海外の出版社へ委託する方向性や冊子体廃止の可否についても検討いただいています.学会賞等の推薦では,評議員の先生方に積極的な推薦をお願いし,各支部長には特に技術賞の推薦をお願いしています.また,第237回講演会の優秀発表賞,口頭発表5名,ポスター発表5名が決定し,HPに公開されています.シンポジウム委員会へは他学会との講演会共同開催やシンポジウム企画を依頼致しました.
 その他の委員会・ワーキンググループ(WG)については,以下の方々に委員長・座長をお願いしました.
 (1)出版部:三宅博部長(留任)
 (2)海外交流推進委員会:坂上潤一委員長(留任)
 (3)用語委員会:出版部に統合(新田洋司部員に引き継ぎ)
 (4)情報管理委員会:阿部淳委員長(留任)
 (5)広報委員会:長屋祐一委員長
 (6)レビュー委員会:出版部に統合(桂圭佑部員に引き継ぎ)
 (7)作物栽培大系編集委員会:出版部に統合(森田茂紀部員に継続)
 (8)若手・男女共同参画WG(本間香貴座長)
 出版部では,作物学用語集の将来計画,和文誌ミニレビューの掲載の完結,新たな出版企画等を検討して頂きます.海外交流委員会では第8回アジア作物学会議への協力,韓国作物学会との連携強化,国際作物セミナーの拡充をお願いしています.すでに,アジア作物学会議への海外学会出席助成が5名の若手研究者に決定しています.是非とも数多くの会員がハノイのアジア作物学会議へ参加いただくようお願い申し上げます。情報管理委員会には講演要旨1ページ化に伴うテンプレート・サンプルファイルの作成と演題登録システムの変更,前述した学生発表者の学年,就活中か否かの表記を要旨集に加える方法の検討をお願いしました.広報委員会へは,メールニュースやHPの会員活動紹介コーナー,英文ページの充実,秋の講演会のアウトリーチ活動の継続につきお願いしています.若手育成方策WGと男女共同参画検討WGを統合して新たに若手・男女共同参画WGを設置しました.若手研究者,女性研究者の研究交流と支援を通じて,若手の活性化を期待しています.今期,支部連携WG,学会連携WG,学会戦略WGは設置せずに,支部との連携は会長・副会長による支部会の手弁当による参加により,他学会との連携については,シンポジウム委員会により検討することとしました.学会戦略は,今後の学会の発展方向について前期WGの答申が出ていますので,それらを執行部で検討して,可能なものは実行に移したいと思います.
 このような体制でこの2年間の活動を行っていきます.会員の皆様のご意見を伺いながら,取り組みを進める所存です.皆様のご協力をお願いいたします.