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日本作物学会の会員の皆様へ

会長 森田茂紀
(東京大学大学院)

1.第218回講演会の開催
 10月20,21日の2日間,沖縄コンベンションセンターにおいて第218回講演会が開催されましたが,超大型台風23号が沖縄を直撃した関係で,飛行機は18日の午後便と19日の全便が欠航となりました.そのため,20日の講演開始時刻には運営委員会のメンバーのほかは,正副会長と庶務がいるくらいで,4会場とも座長も発表者もおらず,開始時刻を1時間遅らせましたが,それでもほとんど講演できない状態でした.昼頃に臨時便が到着し,午後のシンポジウムが始まるころには参加者も増えてきました.シンポジウムの終了後に講演時間を設定したり,2日目のポスター発表の時間を若干短くしたり,プログラム編成を適宜変更するなどして運営委員会にご尽力頂きました結果,最終的には口頭発表予定139課題の内の120課題,ポスター発表予定60課題の内の57課題が無事,発表を終えることができました.運営委員会ならびに会員各位のご協力に心から感謝申し上げます.なお,発表することができなかった口頭発表19課題,ポスター発表3課題の取り扱いにつきましては,会務報告をご覧下さい.

2.会長・評議員選挙と支部会関係
 以上のような事情のため,10月19日に予定しておりました評議員会は中止と致しました.この評議員会では,今年度の活動報告を簡単に行なったうえで,いくつか議論をお願いしたいことがありました.その中心は,会長・評議員選挙と,支部と本会との連携の問題であります.評議員の皆様には準備していた資料を配布したうえで,以下の点についてご意見を頂き,それに基づいて春の役員会・評議員会へ向けて準備を進めたいと考えております.合わせて,広く会員の皆様からもご意見を頂ければと考えておりますので,よろしくお願い致します.
 (1)会長選挙 顔の見える選挙にするために,立候補制度を併用することをご提案したいと思います.すなわち,会長に立候補しようとする者は日作紀や学会のホームページを利用して所信表明を行なってもらいます.ただし,立候補した者に限定せずに,正会員全員が被選挙権を持つことにします.したがって立候補者がいない場合は,従来と同じ形になります.来年春の評議員会に具体的なご提案をできればと考えています.
 (2)評議員選挙 会長を補佐する強力な執行部を作るために,従来の地域ごとに選出される評議員のほかに,若干名の評議員を地域に関係なく選出することをご提案したいと思います.任期中に開催される講演会の運営委員長や編集委員長などがたまたま評議員でない場合には,なって頂くような形にできればと考えております.ご意見を集約できれば春の評議員会で少し具体的なご提案をさせて頂きます.
 (3)支部と本会 両者の連携を深めるために,支部会員ではあっても本会会員ではない方を,準会員あるいは地域会員とし,日本作物学会のメンバーとして位置付けることをご提案したいと思います.この案に拘らず,支部と本会の連携を深める智恵をお借りできれば幸いです.この件は,支部長を通して各支部にご意見を伺い,春の評議員会で議論を深めることができることを期待しております.
以上,いずれも学会全体のアクテイビテイをあげることが目的ですので,それぞれの提案の趣旨についてご検討頂き,ご賛同頂けるのであれば,具体化する智恵をお貸し下さい.なお,システムの改革はあくまでも手段であり,早い時期にそのシステムを利用して学会としての活性をあげる具体的なビジョンが打ち出されることを期待しております.拙速になってはいけませんが,現行の2年の任期でシステムを変えようとすると,1年目の総会ですべてを決める必要がでてくる場合もあり,今回の評議員会を予定しておりましたが,開催できませんでしたので,多くの会員の皆様からのご意見をお待ちしております.

3.海外交流関係
 沖縄の講演会ではバイオマス関係のシンポジウムが開催されましたが,第1部では,韓国作物学会の李浩鎮前会長が講演をされました.また,中国作物学会の路明会長の代理で来日された万建民副会長は,手続き上の問題でシンポジウムには間に合いませんでしたが,2日目の最後に第200課題として特別講演をして下さいました.昨年は今井前会長が韓国作物学会で講演をされていますし,今年は10月29,30日に武漢で開催される中国作物学会で森田が講演することになっております.今井前会長が播いた海外交流の種子が芽を出してきましたので,後に続くものはこれを大切に育てていかなければならないと考えております.今回来日された李前会長は,2008年に韓国の済州島で開催される第5回国際作物学会議の組織委員長でありますので,日本作物学会も何らかの形で協力することができればと思います.また,その前年の2007年にはタイでアジア作物学会議が開催されます.国分副会長や近藤海外交流委員長にはオーストラリアで開催された国際作物学会議・アジア作物学会議に参加して頂き,とくに後者ではビジネスミーテイングに日本作物学会代表として出席して頂きました.このような経緯を踏まえて,日本作物学会としてどのように海外交流を進めていくかという方針を明確にしていく必要があると考えております.

4.北陸支部会による豪雨被害調査
 前回ご紹介いたしました北陸支部会による豪雨被害調査につきましては,会長判断で本会から40万円の支援を行なうことにさせて頂きました.なお,昨年の冷害と同様に科研費の申請を計画し,北陸支部にご尽力頂きました.しかし,タッチの差で関連した別の申請が行なわれており,同じ問題について2つの申請は受付けられないということで,日本作物学会からは申請を行うことができませんでした.ただし,科研費の採否に関係なく調査を行なうことが当初から計画されており,それにしたがって調査が行なわれております.調査結果と決算については,後日,報告して頂くことになっております.この件を含めて,事業計画になかった突発的な問題に対応する場合の予算措置がありませんので,次年度の予算案を作成する際に検討させて頂きたいと考えております.