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HOME > 会長挨拶 > 2022年3月
会長挨拶
日本作物学会会員の皆様へ
−現執行部の任期を終えるにあたってのごあいさつ−
会長 山岸順子
 2022年も早2か月が過ぎ,2020年5月から約2年間の今期執行部の任期もあとわずかとなりました.この間,新型コロナウイルス感染症拡大のため,対面式の講演会やシンポジウム,打合せや会議などが一度も開催できませんでした.多くの規程や慣例などを代替あるいは実施できずに進めてまいりましたため,順当に任を果たすことができたとは申し上げられず,会員の皆様にご迷惑やご不便をおかけしてきましたことを非常に心苦しく思っております.何とか任期の終了を迎えようとしていますが,これは評議員の皆様方,各委員会・WGの委員の先生方,講演会運営委員会の先生方をはじめ多くの関係各位に多大なご協力をいただき,会員の皆様にはこの間の学会運営へのご理解とご支援をいただいた結果です.心より感謝し,お礼申し上げます.
 さて,今期,特に昨年7月に皆様にご報告をして以降の学会運営の主な点について振り返ると共に学会を取り巻く状況と次期の執行部に受け継ぐ課題について述べさせていただきたく思います.

 まず,講演会についてですが,2021年9月8-10日に開催されたACSAC10および9月10日に開催された第252回講演会は,残念ながら対面での開催はできませんでしたが,名古屋大学の山内章運営委員長をはじめ運営委員の皆様のご尽力により,無事オンライン開催することができました.運営委員会には,1年の延期によって長期のご負担を強いることになりましたこと,心よりお礼申し上げます.ACSAC10につきましては,参加登録者は日本を含めて29ヶ国から370名に及び成功裏に終えることができました.今後,ACSAC11の開催まで,ACSAの会長として山内章先生が就任され,坂上潤一先生が事務局長を務められます.日本作物学会は,ACSAへの積極的な支援を通してアジアの農業と作物学研究に貢献していくことが望まれています.

 講演会のあり方の改革につきましては,前期(2018-2019年度)の新型コロナ感染症拡大前に慎重に検討されてきました.しかしながら,新型コロナウイルス感染症拡大によって状況は急激に大きく変わり,テレワークやオンライン講義,オンライン会議,講演会やシンポジウムのオンライン開催などあらゆる場面で急速に広がり,この2年の間に多くの人々に受け入れられました.作物学会では2020年秋の講演会をいち早くオンラインで開催し,研究成果の発表・議論の場が確保され,当初の混乱からは早期に抜け出すことができたと思います.しかし,この状態が2年間にわたって継続した結果,対面開催とオンライン開催は各々メリットとデメリットがあること,特にオンライン開催は比較的容易かつ安価に開催も参加もできることが利点でありますが,必ずしも期待されたほど参加者や発表数の増大が達成されるわけではないこともわかってきました.日本作物学会としては,今後講演会をどのように担当・開催していくかについて,再度検討をし直す必要があると判断致します.次期の会長・執行部に託したいと思います.

 財政につきましては,単年度収支の赤字財政を立て直すことを目的として2020年度より会費の値上げをお願い致しました.前述してきました講演会や会議等のオンライン化に伴い,奇しくも経費の削減が行われてきた中で,現在概ね順調な推移と判断しております.しかしながら,会員数の大幅な減少が認められ,特に学生会員の減少が著しく,その理由については現在解析中ではありますが,将来を担う若手の減少は大きな課題と思います.また,近年の本会の活動は,5年間にわたるPPS(Plant Production Science)の発行に関わる科学研究費(情報発信)とACSAC10の開催に関わる科学研究費(情報発信)に支えられてきた部分が少なくありません.特にPPSの発行に関わる科研費については本年度で終了するため,根本圭介委員長率いる編集委員会を中心に新たな試みを組み込んで「国際情報発信」科学研究費の申請を行いました.また,2022年秋季講演会で予定されているシンポジウムについても福島大学の新田洋司運営委員長を中心とした運営委員会およびシンポジウム委員会本間香貴委員長を中心に「研究成果公開発表」科学研究費の申請を行いました.順調に進むことを心より願っています.しかしながら,科学研究費は必ずしも常にあるわけではありませんので,学会として体力のある団体となることを願っております.関連して,今期には学会の法人化をめざして検討を始めることができ,大川泰一郎先生を座長として「日本作物学会の財政および法人化に関わる検討のためのWG」を立ち上げ,具体的な作業に入ることができました.今後,準備委員会に移行してさらに法人化を進めていく予定となっています.これにつきましては各支部をはじめ関係各位にお手数をおかけしておりますが,今後ともどうぞよろしくお願い致します.

 最後になりましたが,この2年間は新型コロナウイルス感染症拡大により社会全体が大きな変動を余儀なくされてきた一方,IPCCの第6次評価報告書が公表され,疑う余地なく,人間活動によって引き起こされた温暖化のために地球環境が悪化していることが示され,強い警鐘が鳴らされました.過去何千年もの間に前例のない人類による地球環境への悪影響の時代であり,人新世といわれています.急速に進む環境の悪化の抑制とカーボンニュートラルの実現をめざし,その中で作物生産の量と質を共に維持・向上していくための対応策を確立していく必要があります.また,国内では,自給率低下や農業従事者の減少等を踏まえ,農業・農村がめざすべき将来像に向けての技術開発が求められています.作物学は,これらの課題に対して,安定的で持続可能な作物生産をめざす“要”としての役割を果たせる学問領域であり,急速に発展したICTやスマート技術の利用と農業・農村のDX,健全な環境と人類の生存を守るための作物栽培技術開発,生命科学の発展に基づく作物改良などを推進していくことが期待されます.学会ではホームページに“みんなと作物学”として取り組むべき課題を具体的にわかりやすくまとめています.このページを喫緊の課題を含めた新規のものに改訂することを考えておりましたが,力不足のため叶いませんでした.今後,特に若手の研究者との議論を経て,新たに改訂されるよう願っております.また,今期の2年間そして現在でも海外のみならず他府県への移動も不自由な状況もあり,現地の経験を共有することが難しくなっていますが,このような状況は必ず好転すると思います.今後,将来を見据えた視点の創成と現地で活用される技術の開発のために,特に若い研究者のアイデアを生かしていける学会活動の継続を期待しています.
 以上,ご報告とお礼を申し上げ,あいさつとさせていただきます.社会,環境の状況が激しく変動する2年間でしたが,ご理解,ご協力に対して心よりお礼申し上げます.ありがとうございました.

2022年2月28日